面接で「適応障害」のことを話すべきか迷った話

体験談・コラム

適応障害を抱えている方で、「面接でなんて説明したらいいのかわからない…」と悩んだことはありませんか?

私は新卒で適応障害を経験し、その後2社ほど経験しましたが、面接で適応障害について話をすべきか非常に悩みました。

「言って敬遠されたらどうしよう」逆に、「言わないことで罪悪感がある」「バレるのが怖い」と考えると、面接そのものが億劫になりました。

結論から言えば、面接で適応障害のことを無理に話す必要はありません

実際に、私は話さなくても問題なく面接を通過し、仕事をしていたからです。

とはいえ、これは「話さないのが正解」という話ではありません。話すことで気持ちが楽になったり、理解のある職場を見極める材料になったりと、話すことにもメリットはあります。

実際、話すか話さないかで悩んでいる方の中には、「隠し通せる自信がない」「早い段階で理解してもらいたい」という方もいるはずです。

大事なのは、「話す・話さない」のどちらが正しいかではなく、自分がどちらの選択をしたら後悔しないかだと思います。

この記事では、私が「話さない」を選んだ理由と、その判断をどう組み立てたのかをお伝えしつつ、「話す」を選ぶ場合に気をつけておきたいポイントもあわせてご紹介します。

結論:完治していたからこそ、話すか迷った

私は新卒で適応障害になりましたが、引きこもり期間やフリーターの期間を経て、転職時にはほとんど完治していました。

そのため、面接で適応障害について話すことは敬遠されるリスクの方が大きいと判断し、転職理由についても当たり障りのない理由を説明していました。

ただし、「バレたらどうしよう」「仕事に支障が出たら…」という不安は付きまといました。

虚偽の申告をしているわけではありませんが、後ろめたさがなかったわけではありません。

「治っているのだから、もう関係ない」——そう割り切れれば楽だったのですが、実際にはそう単純ではありませんでした。

なぜ「もう治っているのに」迷ったのか

一番大きかったのは、話さなければ経歴に空白や違和感が残ってしまうという不安でした。新卒で早期に離職し、その後もフリーターの期間がある。

この空白を「なんとなく」でごまかすのか、それとも理由を説明するのか。話さないと決めた以上、その空白をどう自然に見せるかという悩みがついて回りました。

一方で、話せば話したで別の不安が出てきます。「適応障害だった」と伝えた瞬間、面接官の頭には「今は本当に大丈夫なのか」という疑問が浮かぶはずです。

完治していると自分では思っていても、それを証明する手段はありません。結局、口で「大丈夫です」と言うしかなく、かえって説明が難しくなるのではないかと感じました。

さらにやっかいだったのが、「完治しているからこそ、今さら言う意味があるのか」という感覚です。現在進行形で症状があるなら、配慮をお願いする意味でも伝える理由がはっきりしています。

しかし完治しているとなると、「わざわざ過去の話を持ち出して、リスクだけを背負う必要があるのか」という疑問が拭えませんでした。

つまり、「言わない後ろめたさ」と「言うことで生まれる新たな疑念」、その両方を天秤にかけ続けていたのだと思います。

結局、私はどうしたのか

実際の面接では、離職理由を聞かれた際に「体調を崩し、一度立て直す時間を取った」程度の説明にとどめていました。適応障害という言葉は使わず、あくまで一般的な体調不良として伝える形です。

空白期間についても、「その間にアルバイトをしながら生活リズムを整えていた」と、事実の範囲内で違和感の少ない説明を心がけました。

面接官から深く突っ込まれることはほとんどありませんでした。むしろ、変に隠そうとして言葉を濁すよりも、簡潔に言い切ってしまう方が、次の質問にスムーズに移ってもらえた印象があります。

話さなかったことへの後悔があるかと聞かれれば、正直なところ「ほとんどない」というのが答えです。仕事を始めてからも、症状名を伝えなかったことで困った場面は特になく、今の状態で評価してもらえたことの方が大きかったように思います。

ただ、これはあくまで私の場合の話で、症状の程度や職種によっては、話さないことが逆に負担になるケースもあるはずです。

「完治後」の情報開示、私が今なら大事にする判断軸

今振り返って思うのは、企業側が本当に知りたいのは「病名」ではなく「今、問題なく働けるかどうか」だということです。過去にどんな症状があったかよりも、現在の状態と、それを踏まえてどう働きたいかの方が、面接ではずっと重要な情報になります。

だからこそ、伝える必要があるとすれば、症状名そのものより「今は安定していて、こういう働き方であれば力を発揮できる」という現在形の話に重心を置くのが良いと思っています。

空白期間や離職理由についても、症状名を出さずに乗り切る言い回しはいくつかあります。例えば「体調を崩し、一度生活を立て直す期間を取った」「働き方を見直すために、一定期間を振り返りに充てた」といった表現です。

嘘をつくわけではなく、事実を「病名」ではなく「経緯」として語ることで、余計な詮索を避けながらも誠実さは保てます

もう一つ大事にしたいのは、「話さない」ことと「隠している」ことは違うという線引きです。聞かれてもいないのに自分から病名を申告する義務はありませんし、それは経歴詐称とは別の話です。

伝える範囲を自分でコントロールすること自体が、後ろめたさを減らす一つの方法になると、今なら思います。

まとめ:完治していても、迷うのは自然なこと

「もう治っているのに、なぜこんなに悩むのだろう」——そう感じてしまうこと自体、決しておかしなことではありません。

過去に抱えていたものが大きければ大きいほど、それをどう扱うかに迷うのは、むしろ自然な反応だと思います。

話す・話さないのどちらが正解ということはなく、大事なのは自分がその選択に納得できているかどうかです。もし今、面接を前に同じように迷っているなら、まずは「今の自分がどう働きたいか」を言葉にすることから始めてみてください。

病名を語る必要はなくても、今の状態を自分の言葉で説明できれば、それだけで面接に向き合う気持ちは少し軽くなるはずです。

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この記事を書いた人
九条辰季

フリーランスのWebライター。HSS型HSE。新卒で出版社に入るも、適応障害になりわずか3ヶ月で退職。その後はブラック企業や公務員を経て、「自分らしく働ける場所」を探してライターに。
現在は、挫折の経験を活かして人材や教育ジャンルで執筆。
生きづらさを抱える人にもっと優しく寄り添いたいという思いで「もう、がんばらない転職」を運営しています。

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