数週間や数か月で辞めてしまった会社を、履歴書にどう書けばいいのか……。
私も同じことで悩んだ一人です。
短期離職を「書かない」と決めるまでには、罪悪感や不安がつきまといました。ですが、実際に履歴書に書かずに就職活動をしてみて、気づいたことや救われたこともありました。
このコラムでは、私の体験談をもとに「短期離職を履歴書に書かない」という選択について、率直な気持ちをお伝えします。
※あくまで私個人の体験談であり、すべての方に当てはまる内容ではない点をご了承ください。
短期離職を履歴書に書くべきか迷うとき、いちばん苦しかったこと
新卒で短期離職をしてしまったときは、精神的に辛く、転職のことは考えていませんでした。
しかし、いざ転職のために履歴書を書く段になった時、頭をよぎったのは「社会人として未熟に見られるのではないか」「根気がないと思われるのではないか」という不安です。
もともと開き直れるタイプではないので、「ダメ」という烙印を押されることへの怖さがありました。
一方で、「正直に書かないのは不誠実ではないか」「入社してからバレるリスクがあるのではないか」と考えると、どちらを選んでも間違いのように感じてしまい、身動きが取れなくなりました。
履歴書に短期離職を書かないメリット・デメリット
ここで、実際に履歴書に短期離職を書かないことのメリット・デメリットを整理しておきましょう。
私の体験談も含めてお伝えします。
履歴書に短期離職を書かないメリット
短期離職を履歴書に書かない一番のメリットは、採用担当者に悪印象を与えずに済む点です。
短期間で辞めた経歴があると、「仕事が続かない人」「職場に問題があるとすぐ辞める人」と見られてしまうことがあります。特に、書類選考の段階では事情を説明する機会がないため、不利に働くケースも少なくありません。
私自身も、以前3ヶ月で退職した職歴を省いて応募したところ、面接までスムーズに進めた経験があります。ただし、これはあくまで私個人の経験であり、すべてのケースで同じ結果になるとは限りません。
また、アルバイトや短期契約など、正社員としてのキャリアに直接関係しない職歴であれば、省略しても問題ないと判断されることもあります。
さらに、「退職」という言葉を書くと自己肯定感が下がるという人もいるでしょう。自分の心を守るために一時的に“書かない選択”をするのも、状況によっては現実的な判断だと思います。
履歴書に短期離職を書かないデメリット
一方で、短期離職を隠すことで後々トラブルになる可能性もあります。
入社後に経歴を確認されたり、前職の在籍期間が人事に伝わるケースもあり、経歴詐称と受け取られるリスクはゼロではありません。これは信用問題につながり、最悪の場合、内定取り消しや早期退職につながるおそれもあります。
また、短期離職の理由が「体調を崩した」「職場環境が合わなかった」など正当な事情であった場合は、正直に伝えた方が誠実な印象を与えられる場合もあります。
つまり、「書かないことで得られる安心感」と「正直に伝えることで得られる信頼感」のどちらを取るかは、応募先や状況によって慎重に判断する必要があります。
私は短期離職を履歴書に書かなかった
最終的に、私はその会社を履歴書に書かないと決めました。雇用保険には加入していたためバレるリスクはありましたが、結果的には特に言及されることはありませんでした。
書かないと決めた瞬間、少し気持ちが軽くなったのを覚えています。履歴書を書くときに「どう説明しよう…」と悩む必要がなくなったからです。
もちろん、これはあくまで“当時の私が取った選択”であり、誰にでもおすすめできる方法ではありません。状況や企業によっては、書かないことで信頼を損なうリスクもあることを忘れてはいけません。
短期離職を履歴書に書かないのは「ズル」ではない
当時の私は、「書かない=ごまかしている」と自分を責めていました。でも今振り返ると、それは必要以上に真面目に考えすぎていたのだと思います。
法律的に“全ての職歴を書かねばならない”という明確な義務があるわけではなく、応募職種に関係のない短期の職歴を省くこと自体は、必ずしも不正ではありません。
ただし、経歴を偽る・在籍期間を改ざんするなどは「経歴詐称」と見なされるおそれがあります。大切なのは、事実を都合よく変えることではなく、自分を守るためにどう伝えるかを考えることです。
大切なのは“自分が安心して働ける場所を探すこと”
短期離職を履歴書に書くかどうかは、確かに悩ましい問題です。でも、それ以上に大切なのは「自分が安心して働ける環境を探すこと」だと、今では思います。
短期離職は「失敗」ではなく、合わない職場を早めに見抜いた証拠でもあります。私は“書かない”という選択をしたことで、自分を責めずに次の一歩を踏み出す余裕が生まれました。
もし今、同じように悩んでいる方がいたら、「どう書くか」だけでなく、「これからどう働きたいか」にも目を向けてみてほしいです。あなたが自分らしく働ける場所を見つけられることを、心から願っています。
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