「履歴書がまったく書けない」「書こうとすると不安になって手が止まる」
そんなふうに悩んでいませんか?
かつて適応障害で働けなくなった筆者も、履歴書には本当に苦労しました。「こんな自分に書けることなんてない」「どうせ評価されない」…そう思っていたんです。
でも、実は「完璧じゃなくても伝わる履歴書」はちゃんとあります。自信がなくても、空白期間があっても、無理に盛らなくても大丈夫。
この記事では、メンタルが弱っている人でも書ける履歴書のポイントと例文をご紹介します。
メンタルが弱っているとき、履歴書が書けないのは当然です
メンタルが弱っていると、自己肯定感が下がっているため、自分をアピールする文言がなかなか出てきません。
しかし、それでも履歴書を書かなければ就職活動は進みませんよね。まずは、自分がどのような状況に置かれているのか、客観的に把握しましょう。
- 自分をアピールするなんて無理、と思ってしまう理由
- 空白期間や退職理由を書くのが怖い
- 「自信のなさ」を履歴書ににじませないために
自分をアピールするなんて無理、と思ってしまう理由
「自分をアピールしてください」と言われても、そもそも自分に価値があると思えない。履歴書を書こうとしても、「自分のどこをどう褒めればいいの?」と手が止まってしまう。
メンタルが落ちているときは、自己否定の声が強くなって、ちょっとした言葉さえ書きにくくなります。でもそれは「怠けているから」でも「能力がないから」でもありません。
心が傷ついた状態では、自分を前向きに表現するのはとても難しいのです。
空白期間や退職理由を書くのが怖い
履歴書に空白期間があると「どう思われるんだろう」と不安になりますよね。「働いていなかった理由を説明できない」「本当のことを書いたら不利になりそう」と思ってしまうのも当然です。
ですが、最近ではメンタルヘルスへの理解が広まりつつあり、正直に説明してもマイナスにならないケースも増えています。大切なのは、何があって、どう乗り越えて、今はどんな働き方を望んでいるかを素直に伝えること。
完璧な経歴より、誠実な姿勢が伝わる方がずっと評価されます。
「自信のなさ」を履歴書ににじませないために
自信がないとき、「こんな自分ですみません」といった雰囲気が文面に出てしまうことがあります。でも履歴書では、自信のなさを直接表現する必要はありません。
謙虚さは伝えつつも、あえてネガティブな言葉は避けるようにしましょう。たとえば「未熟ですが…」よりも「学びながら成長したいです」と書くと、前向きな印象に変わります。
文章力よりも、「伝える意思」が何より大切です。自己否定の言葉を減らすだけで、履歴書の印象はぐっと良くなりますよ。
受かる履歴書のポイント|自己肯定感がなくてもOK
メンタルが弱めでも受かる履歴書のポイントについて解説します。
自己肯定感が低い状態でも書き始められるので、ぜひ実践してみてくださいね。
- 「盛らなくていい」「ありのままでいい」って本当?
- 採用担当者が見ているのは「人柄」と「続けられそうか」
- 無理せず、自分を一番伝えやすい方法で書こう
「盛らなくていい」「ありのままでいい」って本当?
「ありのままでいい」と言われても、「そんな自分じゃ通用しないのでは?」と不安になりますよね。でも、履歴書は「盛るもの」ではありません。
もし実際よりも立派に書いてしまえば、面接でギャップが生まれ、かえって不利になることもあります。大切なのは、「ちょっとがんばれば言えること」だけを書くことです。
見せかけの自信よりも、等身大の信頼感のほうが、採用担当者には響きます。書けることだけを無理なく書けば、それが一番あなたらしい履歴書になります。
採用担当者が見ているのは“人柄”と“続けられそうか”
採用担当者は、すごい実績や資格だけを見ているわけではありません。「この人と一緒に働きたいか」「職場にフィットしそうか」といった“人柄”や、“無理せず働き続けられそうか”という点も重視しています。
たとえ空白期間や短期離職があっても、「今は安定して働ける」「前向きに取り組もうとしている」と伝われば、それは大きな安心材料になります。完璧な人を探しているわけではなく、誠実に仕事に向き合える人を求めているのです。
無理せず、自分を一番伝えやすい方法で書こう
文章が得意じゃなくても、履歴書は書けます。短い文でも、箇条書きでもかまいません。
大切なのは、自分のことを「どう書けば伝えやすいか」を考えることです。たとえば「一人でコツコツ作業するのが得意」といったシンプルな表現でも、あなたの強みはしっかり伝わります。
“見せよう”とするより、“届けよう”とする方が、結果的に好印象になることも多いです。丁寧に、でも気負わず、自分の言葉で書いていきましょう。
例文つき|メンタル弱めさん向け・履歴書の書き方ガイド
ここからは、実際に履歴書の書き方の例文をご紹介します。
- 志望動機の例文(やさしめ ver.)
- 自己PRの例文(無理しない ver.)
- 職歴・退職理由の書き方(空白があっても大丈夫)
- 資格・趣味・特技欄も「使える武器」になる
志望動機の例文(やさしめ ver.)
以前の職場では環境が合わず、体調を崩してしまいましたが、少しずつ働く意欲が戻ってきたため、御社の求人に応募いたしました。
人と落ち着いて関われる環境で、無理なく仕事を続けたいと考えております。
このように、無理にポジティブなことを並べる必要はありません。「働く意欲があること」「自分の状態に合った職場を探していること」が伝われば十分です。もし体調面で不安があっても、そこを補う気持ちを見せるだけで、好意的に受け止めてもらえることがあります。
自己PRの例文(無理しない ver.)
私は、コツコツと作業を進めることが得意です。急な変化や人前に出ることは得意ではありませんが、決められた業務を丁寧にこなすことにやりがいを感じます。
強みが派手でなくても問題ありません。むしろ、「この業務をこうこなせます」と具体的に伝える方が、現場では重宝されます。「自分にできること」「向いていそうなこと」を一つでもアピールできれば、自己PRはしっかり成立します。
職歴・退職理由の書き方(空白があっても大丈夫)
2022年5月 ○○株式会社 入社
2022年10月 一身上の都合により退職
(※体調不良により一定期間休養)
このように、事実を簡潔にまとめるだけでOKです。体調不良の詳細を書く必要はありませんし、空白期間も「回復のための時間」だと伝えれば、それも立派なプロセスです。嘘を書いたり、無理に説明を加えようとしたりすると、かえって印象が悪くなることもあるので、正直さと簡潔さを意識しましょう。
資格・趣味・特技欄も“使える武器”になる
履歴書の最後にある「資格・趣味・特技」の欄は、意外と採用担当者が目を通すポイントです。内容が業務と関係なくても構いません。たとえば「読書」「散歩」「猫と遊ぶこと」なども、あなたの人柄が垣間見える大切な情報です。
堅苦しく考えずに、“あなたらしさ”を出せる場所として活用しましょう。共通の趣味が面接の話題になることもあり、会話のきっかけにもなりますよ。
それでも不安なときは?履歴書で悩んだら試したいこと
履歴書を書くにあたってどうしても不安がぬぐえない場合や、手が止まってしまう場合は、以下のポイントを参考にしてみてください。
- 誰かに見せる前提で書いてみる
- 添削サービスや転職サポートを活用する
- がんばらなくても履歴書は書ける
誰かに見せる前提で書いてみる
一人で履歴書を書いていると、どこまでも自分の欠点ばかりが目についてしまい、「やっぱりダメだ」と思い込んでしまいます。そんなときは、「誰かに見せる前提」で書いてみてください。
たとえば信頼できる友人、就労支援のスタッフ、転職支援の担当者などに「とりあえず書いてみたので見てほしい」と頼むだけでも、客観的な視点が入り、気持ちが少し軽くなります。
添削サービスや転職サポートを活用する
「履歴書を誰かに見てもらうのは恥ずかしい」と感じる人もいるかもしれません。でも、最近では履歴書の添削をしてくれる無料サービスや、オンラインで相談できる就労支援も増えています。
プロの目でチェックしてもらうことで、「このままで大丈夫」という安心感が得られることもあります。「一人で完璧に書こう」と思わなくていいんです。頼れるものは、どんどん使っていきましょう。
がんばらなくても履歴書は書ける
履歴書というと、「気合を入れて書くもの」と思われがちですが、メンタルが落ちているときにそれは酷です。がんばらなくても、無理せず書ける範囲で書けば、それで十分。
履歴書はあなたを証明するものではなく、「あなたがどんな仕事を求めているか」を伝えるツールです。心が元気じゃなくても、今のあなたなりにできることがあれば、それは転職活動の第一歩になります。
まとめ|等身大でも伝わる。履歴書は“完璧じゃなくていい”
メンタルが落ちているとき、履歴書を書くのがつらく感じるのは自然なことです。
「自分には書けることなんてない」と思ってしまうかもしれませんが、それでも、あなたなりの言葉で「伝えよう」とする気持ちがあれば、十分に相手に届きます。
採用担当者は、実績や経歴だけでなく、あなたの人柄や前向きな姿勢を見ています。だからこそ、無理に自分を大きく見せたり、完璧な履歴書を書こうとしたりする必要はありません。
盛らず、飾らず、今の自分にできることだけを等身大の言葉で伝えること。それが、あなたらしさを感じてもらえる一番の近道です。
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